小児歯科

小児歯科における診療方針

目標はただ子供の虫歯を治すだけではありません。虫歯予防に努め、最終的にはきれいな永久歯を正しい位置に、健康なお口の状態に育てることとしています。普通の検診では、むし歯の深さを相対的に測る機器(ダイアグノデント)を活用しています。小児歯科では継続的にお口の中の変化に気を配る必要があります。そのためにデジタルカメラでお口の中を撮影し、保存します。必要なときに、いつでも以前のお口の中との変化を比較ことができます。口の中の状態の確認、治療の方法の説明、予防指導を行います。
歯の生え方に適した新しい歯ブラシを使い、実際にその場で磨いていただき、磨き方の確認をいたします。治療をするだけではなく適切な時期に予防処置を行い、その都度、保護者の方へ処置部位、処置内容、注意事項をご説明いたします。3~6ヵ月の間隔でそれぞれのお子様に適した時期に葉書でお知らせし、定期診査を行います。歯科医師が診察し、現在のお口の中の状態をご説明します。虫歯の予防には、歯ブラシ指導(家庭での毎日の歯ブラシ)シーラントフッ素の添布が必要です。

歯みがきのはなし

歯の汚れを歯垢(しこう)といいます。歯の表面に付くぬるぬるとした白い汚れです。この歯垢の中にむし歯菌がたくさん潜んでいて、むし歯や、歯肉炎、歯槽膿漏の原因となります。歯垢は飲食物を取る限り出来るものですので、いかにこの歯垢を完全に落とせるかということがむし歯予防にとって大切な要因のひとつです。歯垢は白い汚れですので歯の色と区別がつきにくく見落としがちです。そこで歯垢を赤く染め歯の色と区別がつきやすくする方法が染め出しです。染め出しをすることによって、保護者の方やお子さんの歯みがきの仕方のくせがわかり、練習に役立つと思われます。ぜひ試してみて下さい。

自分一人で磨けるようになるのは練習をしても小学校4~5年生にならないと出来ません。ましてや1回染めだしをしただけでは上手に磨けません。毎週、日を決めて練習することが上手に磨けるようになる早道です。大人の人でもきちんと磨けている人はたいへん少ないと思われます。この機会にお子さんとご一緒にお父さん、お母さんも試してみてはどうでしょう。

シーラントのはなし

特に「六歳臼歯」に効果的
奥歯の溝のところにできるむし歯は、はえ始めから2~3年以内にできやすいものです。特に6歳臼歯はむし歯になってしまうことがおおいのです。シーラントとは、奥歯の溝を、むし歯になる前にフッ素を放出するお薬で埋めてしまう方法で、特に溝が深くて複雑な6歳臼歯に効果的です。
シーラントでは歯と歯の間のむし歯の予防効果はありません。
シーラントをする場合はダイアグノデント等を使い正確にシーラントの適応かどうかを判断する必要があります。

定期管理が大切

しかし、虫歯予防はもうこれで十分というわけではありません。毎日きちんとブラッシングをして、シーラントがきちんとついているかなどの定期健診を受けフッ素を活用したり、食生活も注意して、総合的にすすめることが大切です。

歯を強くするフッ素

歯質を強化する効力が最も高いことから、世界各国でむし歯予防に利用されています。高濃度のフッ素溶液(2%NaF・酸性フッ素リン酸溶液)を歯科医師の下で年 3~4回(3~4ヵ月ごとに)塗布します。短時間で終わるため特別に患者さんの協力を必要としないので、小さなお子さんでも塗布することが可能です。
歯の表面をコーティングするようなものではなく、歯の表面自体を強化するするも

子供の成長に即したお口のケア

  • 乳児期
    赤ちゃんの舌には白っぽいカスが時々たまります。水やぬるま湯で湿らした布でカスを拭き取ってください。
  • 生後7~8カ月の時期
    前歯が生えてきます。ガーゼを歯にあて汚れを拭き取ってください。
  • 生後1年を過ぎたら
    歯ブラシを使います。お母さんがねかせ磨き(ひざに赤ちゃんの頭をのせて行います)をします。楽しみながらしましょう。
  • 3歳を過ぎたら
    自分で磨き始めましょう。しかしまだ上手ではありません。自分でみがいた後、お母様が仕上げ磨きをします。(少しでも上手にみがけたらほめてあげましょう)
  • 六歳臼歯が生えてくる頃
    6歳前後で絵、六歳臼歯が生えてきます。この六歳臼歯は特に虫歯になりやすいので気をつけて下さい。横みがき、フォーンズ法といった子供自身でしっかりと磨けるような歯ブラシのあて方を身につけていきます。しかし、まだ上手くはいかないので、仕上げ磨きは必要です。

  • 8~9歳
    仕上げ磨きが卒業できる頃です。

乳歯にあったハミガキ法で

乳歯に適したブラッシング方法は、横磨きです。ブラシを歯面に平行にし、少し力を入れて小刻みに動かします。あまり大きく早く磨くと歯垢が落ちにくいので気をつけましょう。歯茎に傷がつく心配もあります。
特に歯と歯茎の境目や奥の方の歯は念入りにし、子供が吐き気を起こしたりしないよう歯磨き剤はつけない方がよいでしょう。歯ブラシは、小さめの方が効果的です。

小児の仕上げみがき

ひとりで上手にみがけるようになるまでの間は、お母さんやお父さんが仕上げ磨きをしてあげましょう。
ただし、磨かせないと無理強いしたり、あせったりすると、お子さんはますます歯磨きを嫌がります。ゆっくりした気持で習慣化しましょう。
1. ヘッドが小さく毛先が短い奥歯まで届く小さめのものを使う(子供用とは区別してください)
2. ブラシの持ち方はペングリップ、鉛筆を持つようにします。
軽く握り、指先で細かくコントロールしながらシャカシャカと磨きます。
3. ゆったりした気持で磨いてあげましょう。磨いている大人が落ち着かない気持でいると、
つい力が入り過ぎたり、ぞんざいになったりして、かえって歯磨き嫌いにしてしまします。親子のスキンシップの時間として楽しんで磨いてあげましょう。

4. 頭はひざに乗せて安定させて磨きます。
口の中が良く見えるのが寝た姿勢。ひざに頭を乗せると安定し、自由に両腕を動かすことができます。

5. 磨く順番を決め、磨き残しを防ぎましょう。

6. フロスを使う。歯と歯の間にはフロス、糸ようじを使います。

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