小児歯科における診療方針
歯みがきのはなし
歯の汚れを歯垢(しこう)といいます。歯の表面に付くぬるぬるとした白い汚れです。この歯垢の中にむし歯菌がたくさん潜んでいて、むし歯や、歯肉炎、歯槽膿漏の原因となります。歯垢は飲食物を取る限り出来るものですので、いかにこの歯垢を完全に落とせるかということがむし歯予防にとって大切な要因のひとつです。歯垢は白い汚れですので歯の色と区別がつきにくく見落としがちです。そこで歯垢を赤く染め歯の色と区別がつきやすくする方法が染め出しです。染め出しをすることによって、保護者の方やお子さんの歯みがきの仕方のくせがわかり、練習に役立つと思われます。ぜひ試してみて下さい。
自分一人で磨けるようになるのは練習をしても小学校4~5年生にならないと出来ません。ましてや1回染めだしをしただけでは上手に磨けません。毎週、日を決めて練習することが上手に磨けるようになる早道です。大人の人でもきちんと磨けている人はたいへん少ないと思われます。この機会にお子さんとご一緒にお父さん、お母さんも試してみてはどうでしょう。
シーラントのはなし
奥歯の溝のところにできるむし歯は、はえ始めから2~3年以内にできやすいものです。特に6歳臼歯はむし歯になってしまうことがおおいのです。シーラントとは、奥歯の溝を、むし歯になる前にフッ素を放出するお薬で埋めてしまう方法で、特に溝が深くて複雑な6歳臼歯に効果的です。
シーラントでは歯と歯の間のむし歯の予防効果はありません。
シーラントをする場合はダイアグノデント等を使い正確にシーラントの適応かどうかを判断する必要があります。
定期管理が大切
しかし、虫歯予防はもうこれで十分というわけではありません。毎日きちんとブラッシングをして、シーラントがきちんとついているかなどの定期健診を受けフッ素を活用したり、食生活も注意して、総合的にすすめることが大切です。
歯を強くするフッ素
歯の表面をコーティングするようなものではなく、歯の表面自体を強化するするも
子供の成長に即したお口のケア
- 乳児期
赤ちゃんの舌には白っぽいカスが時々たまります。水やぬるま湯で湿らした布でカスを拭き取ってください。 - 生後7~8カ月の時期
前歯が生えてきます。ガーゼを歯にあて汚れを拭き取ってください。 - 生後1年を過ぎたら
歯ブラシを使います。お母さんがねかせ磨き(ひざに赤ちゃんの頭をのせて行います)をします。楽しみながらしましょう。 - 3歳を過ぎたら
自分で磨き始めましょう。しかしまだ上手ではありません。自分でみがいた後、お母様が仕上げ磨きをします。(少しでも上手にみがけたらほめてあげましょう) - 六歳臼歯が生えてくる頃
6歳前後で絵、六歳臼歯が生えてきます。この六歳臼歯は特に虫歯になりやすいので気をつけて下さい。横みがき、フォーンズ法といった子供自身でしっかりと磨けるような歯ブラシのあて方を身につけていきます。しかし、まだ上手くはいかないので、仕上げ磨きは必要です。 - 8~9歳
仕上げ磨きが卒業できる頃です。
乳歯にあったハミガキ法で
乳歯に適したブラッシング方法は、横磨きです。ブラシを歯面に平行にし、少し力を入れて小刻みに動かします。あまり大きく早く磨くと歯垢が落ちにくいので気をつけましょう。歯茎に傷がつく心配もあります。
特に歯と歯茎の境目や奥の方の歯は念入りにし、子供が吐き気を起こしたりしないよう歯磨き剤はつけない方がよいでしょう。歯ブラシは、小さめの方が効果的です。
小児の仕上げみがき
ただし、磨かせないと無理強いしたり、あせったりすると、お子さんはますます歯磨きを嫌がります。ゆっくりした気持で習慣化しましょう。
軽く握り、指先で細かくコントロールしながらシャカシャカと磨きます。
つい力が入り過ぎたり、ぞんざいになったりして、かえって歯磨き嫌いにしてしまします。親子のスキンシップの時間として楽しんで磨いてあげましょう。
4. 頭はひざに乗せて安定させて磨きます。
口の中が良く見えるのが寝た姿勢。ひざに頭を乗せると安定し、自由に両腕を動かすことができます。
5. 磨く順番を決め、磨き残しを防ぎましょう。
6. フロスを使う。歯と歯の間にはフロス、糸ようじを使います。